遷喬小学校には校舎が三つあり、全体で800人以上の生徒が学習できる設備となっていました。
現在はこの本校舎のみが残され、他は解体されています。
本校舎の正面には立派なアーチの正面玄関があり、写真のような門構えとなっています。大変立派なファサードで、手前の掲揚台の下に朝礼台がありました。
明治時代の文化的建造物で、当時流行った洋風建築を取り入れて作られています。大きな格子の硝子窓は風格があり、白板張りの校舎に樹齢を重ねた松の並木が独特の景観を創り出しています。
左右の校舎を繋ぐ中央部、マンサード屋根の大きな二階講堂の下は正面玄関となっています。透き窓のように筋交いを入れるなど細部に至っても洒落た造りとなっています。
屋根瓦は天然のスレートで葺かれましたが、左右の校舎は桟瓦に置き換えられました。そのため瓦屋根の色が明るくなっており、中央部の建物をより重厚に見せています。
設計は明治後半から活躍した岡山の建築家、江川三郎八の手によるもの。